海外に研究留学に行った時の話
※この記事の内容はコロナ禍以前のお話です
1万年ぶりの更新です。
既に帰国して結構経つのですが、ニュージーランドに短期の研究留学に行っていました。格好よく言うとリサーチインターンシップというやつです。
留学に行くまで
私はもともと海外に興味があり、本学入学前から海外留学できる制度があることを知っていました。また、研究室訪問の段階や入学してすぐの段階で、留学できるなら行きたいとアピールしていました。
そんなこんなで去年の秋ごろ、先生から海外留学できるという話が舞い込んでたのですが、就活を進めていく中で色々心境の変化があったこと、支援金がどれくらい出るのか不明だった(殆ど出ないという説もあった)ことなどがあり、当時は正直行くか迷っていました。
しかし、以前から興味があったことや今行かないと確実に後悔するだろうと思ったので留学を希望しました(先見の明が凄い)。
その後は、自分のラボの先生たちと英語で軽く面接をし、「まあ最低限の会話はできるから死にはしないだろう」という感じでギリギリの合格をもらい、1週間くらい後に向こうのラボのボスとビデオ通話で面接をしました。
面接では自分のやっていることや興味を軽く説明したのですが、ラボインターンは互いの交流にもなるから云々という理由であっさりOKをもらえました。
因みになのですが、留学の直前まで東京でインターンシップに勤しんでいたため、帰ってきてからは大急ぎで準備をしました。出発当日もかなりバタバタしていて「本当に大丈夫なのだろうか」みたいな不安感を抱えたまま出発することになりました。
使ったサイトやサービス
飛行機の予約にはスカイスキャナーというサイトを使いました。セットの航空券が買えます。あまりお金に余裕のある学生生活を送っていないので、その中で一番安くて都合の良さそうな航空券を購入しました。
また、宿泊施設の予約にはBooking.comを使用しました。留学期間が1か月以上あり期間中全日空いているような施設がなかったので、2つの宿泊施設を予約しました。
海外には日本で言うウィークリーマンションのような施設はありませんが、一つの部屋に複数人で泊まるドミトリールームや、フラッティング・貸別荘などと呼ばれる、家の空き部屋を借りるやつが一般的のようでした。(もちろん普通のホテルもありますが高い)
私はプライベートの確保に"真剣"だったため、大学から近い施設のうち最も安いものを選択していきました。と言いつつ、留学がちゃんと決まったのが1か月ちょっと前とかだったのでそもそも空いてる場所がそんなになくて実際はほぼ消去法で決まりました。
航空券は往復で13万程度、宿泊は10万円程度なので結構抑えられたと思います。
いざ出発
乗り継ぎを挟んで約15時間、腰と臀部の痛みに襲われながらもNZに到着しました。空港ではラボのスタッフが迎えに来てくれており、車で宿泊場所まで運んでくれました。宿泊場所到着後も、私の英語力を見極めたスタッフの人が受付を手伝ってくれて非常に有難かったです。
到着後はエクストリーム疲労困憊マンだったので適当に近くのスーパーまで歩いて食べ物を購入して泥のように眠りました。正直、ただ1人で異国に放り出されるのはかなり不安感が強かったです。
あと5日目くらいにさっそく体調を崩してゲロゲロしていたのでその時はマジで「国に帰りてえだよ」ってなりました。宿のオーナーが心配してくれてピザを分けてくれたりして有難かったです。
生活
日常
基本的に「ラボ! 研究! スーパー! 終わりだよ!」って感じの毎日でした。感受性が豊かなので初めの方はスーパーに入っただけでも「お、海外じゃん」ってなってました。
宿では基本まったりしていました。普通に人の家の一室を借りてるような感じなので共用のスペースが多くて、ちょこちょこ宿泊者と会話が発生したりしました。
「あんた日本人だね? 座り方でわかったよ」と強キャラのような絡み方をされたりもしました。
日本人であることがバレると「コンニチハ」「アリガトウゴザイマス」と片言で挨拶されたりなぜか通りすがりに感謝されたりもしました。日本語って意外と知られてるんだなあと思いました(?)。
日本のアニメが好きらしい人と、ヒントとジェスチャーだけで通じ合ったりもしました。(日本と海外では作品タイトルが異なるので)(多分キャプテン翼と仮面ライダーのことだった)
また、NZは移民国家なので色んな国籍の人がいて、英語の発音も様々でした。聴き取りやすい英語の人もいれば、全く何を言っているのか分からずレジで迷惑をかけてしまうこともありました。あれは慣れが必要なんだろうか。
ラボ
ラボは広くて綺麗でした。コーヒーとか紅茶とかを自由に注げるスペースがあったりシャワーがあったりしました。
マシンスペックも強強のつよし君で、RTX2080にメモリ32GBのパソコンが降ってきました。最初に与えられたパソコンはどうも調子が悪く途中で他のパソコンに替えることになったのですが、またまた同じスペックのパソコンが降ってきてひょえ~~~ってなってました。
こちらも色んな国籍の人がいました。また、日本とは少し事情が違って、学部生や修士の学生が少なめだったのと、年齢層が高めでした。
社会人になってから博士を取りに戻ったりする人も多いようです。
向こうは結構学歴社会が強いという話もあり、ビザを取るためにも学歴の得点が高かったりしますが、詳しくはよくわかりません。
大学
(下手だなあカイジくん……! 単純に写真が下手……!)
大学に行ったというよりはラボに行ったという感じなので大学のことはよくわからなかったのですが、とにかくキャンパスが広すぎて初めの方は無限に迷子になっていました。
向こうの大学では日本の大学の食堂のような施設はなく、代わりにカフェと呼ばれる場所で昼食を販売しています。
基本的には肉の包んだパイがたくさん売っていたり、パンが売っていたり、寿司が売っていたりという感じでした。
こんな感じで色んな種類のパイ形式のお肉が売られていました。
あとはレストランのような施設もありました。日本と比べて物価が高く外食の相場も高い国なので、学内レストランと言えど1食1000円は覚悟した方が良いのですが、味は良かったです。
あとは学内に薬局があったり本屋があったり、日本で言う総合大学の大きいキャンパスって感じでした。
学期初めに新歓として学祭みたいなことをやっていたりして楽し気な雰囲気もありました。
食べ物
これが一番大変でした。(何を食べれば良いのか分からなかったので)
ラボの人にオススメの食べ物を聞いたら寿司と言われ、普段食べてるものはサンドイッチと言われたのでそれに従い、サンドイッチ、ハンバーガー、寿司をよく食べていた気がします。
寿司は向こうの地域の名産品?みたいな感じで、大阪で言うお好み焼きみたいなポジションっぽかったです。ちなみに寿司といってもジャパニーズお寿司ではなく、手巻き寿司というかみたいな感じでした。巻かれているものはキュウリ、ニンジン、サーモン、シーチキン、アボカドなど。生魚はサーモンだけでした。聞いた話によると、外国人的にサーモンだけは生でも食べられるらしい。中には日本のワサビと醤油が入ってました。
これはどうでも情報なのですが、空港で出会った日本人スタッフが「ここの人たちは寿司を食べたら健康的だと思ってるよ」って言ってました。お寿司最高。
あと、サンドイッチやハンバーガー、パイなどは大丈夫でしたが、せっかくだし色々食べようと思って適当に色々買ってたら時々口に合わない食べ物もあって大変でした。野生児なので何なのかわからず食べてたものもあります。
味付けが全体的に濃いめだったので、総菜コーナーで適当に量の多いサラダや肉を買って途中で苦しくなってたこともあります。途中で内容量見て「あっ」ってなってました。
ちなみに学校で買える食べ物は基本的に美味しかったです。
ところで、NZは日本と比べると物価が高いのと外食が高いのと、お弁当のような便利なものもあまり売っておらず、日本との違いを感じました。
他にも、コンビニは商店といった感じで、店舗数は少ないし売ってるものも何でも売ってるわけではなかったので、慣れるまでは大変でした。
海外に行くと初めは苦労するというやつですね。
観光
大体週1でどこかへ出かけていました。宿泊施設で自転車を借りて野生動物と触れ合えるという動物園的なところに行ったり、植物園に行ったり、市街で大聖堂を見たり、南極体験をしたり、日本文化のお祭りに日本人のコスプレをして参加したり。
MeetUpというサービスを使って現地のゲーム開発者コミュニティに参加してみたりもしました。その日はゲーム声優が講演に来ていたのですが、ネイティブ対ネイティブの会話についていけるわけもなくマジで何を言っているのか分からず滂沱の涙を流していました。
日本文化のお祭りは、日本文化のお祭りという感じでした。
パンフレットを見た感じ柔道とか華道とかの催しが多かったのですが、行ってみると野外ステージでは現地の人がコスプレしてアニメの曲を踊ったり、スタッフの人や一般参加者がコスプレをしていたり、そもそもイベント自体のマスコットキャラクターが萌え絵だったりもしたので「すげえなあ」ってなってました(写真はページ下部)。
研究
これどこまで書いていいのかよくわからないんですけど、多分向こうのプロジェクトの一環として、人間の表情を認識してアバターの表情と連動するみたいなことをやっていました(n番煎じ)。
課題は初めにディスカッションして、1か月なのでこれくらいがちょうど良いんじゃないかということで決定しました。英語で研究について話し合うのは大変で周囲は小生の英語力の低さに困惑していました。
少し本題と逸れたことも調査したり、やることを行ったり来たりしていたので時間的にもちょうど良かったです。(最後はゴリラ実装になったけど)
良かったこと・大変だったこと
良かった
グローバルスタンダート、なのかどうかは分からないですが、海外の事情的なのを色々と知れました。
オンオフの切り替えがしっかりしてるなあとか法律が色々違うなあとか。
初めの方に日本語の論文を英訳して紹介したらそれはローカルすぎるねみたいな話をされたり。
あと単純に会話の頻度は日本にいる時と比べて減っていたのとそもそも日本語でぺちゃくちゃお喋りしたりという機会が無かったので段々と自分探しの旅みたいなメンタリティになっていきました。
それと自国を客観的に見れる機会にもなったと思います(海外かぶれ)。
一番びっくりしたのが、NZの面積は本州くらいなのに対して人口は福岡県くらいしかいなかったということ。
大変だった
生きていくのが大変でした。特に最初の2週間くらいは何を食べれば良いのかもよくわからないし、何をすべきなのかもよくわからないみたいな感じでした。
ネイティブの高速イングリッシュに対応するのも難しく、バスに乗るにも観光地で受付するにも四苦八苦していました。
また、どうでもいい日常会話は何とかなっても、細かいニュアンスが大切な研究の話なんかはリアルタイムで行うのはかなり大変だなあと思いました。
自分が話したい内容を適切に英語にできないという辛さもありましたし、相手の言ってることを少しでも聞き逃したら「あれ?」ってなってしまう辛さもありました。
この辺りの能力に関しては年単位でしっかり英語の勉強をしたり、1,2年くらい海外で生活しないと身につかないんだろうなあという感じでした。知らんけど。
あとなぜか最後の方に胃が謎に痛くなったり手足や顔の皮がボロボロになってしまうという事件が発生しました(これが本当の海外かぶれ)。
因みに帰国後もボロボロ皮がむけていき、最終的に手のひらの皮は残りませんでした。皮膚科に行ったら「わからんけどそのうち治るよ」って言われて「ほんまか?」って気持ちで過ごしていましたが2,3週間すればかなり治っていたので良かったです。水が合わなかったのだろうか。
紫外線もめちゃくちゃ強くて、結構対策したつもりでもそこそこ日焼けしてしまったので大変でした。
お金の話
留学に興味ある方もいらっしゃると思うので、お金の話も触れておきます。
今回は学校の留学支援制度とJASSOの海外留学支援制度を利用しました。
前者については本学独自の制度で詳細は自分もよく分かっていないのですが、海外に研究インターンに行く際に交通費やら何やらを支援してくれる制度です。
後者についてはJASSOの制度で、生活費として[nか月*地区ごとに指定された金額]を給付してもらえます。今回は40日弱だったので7万円×2か月分の支援金を受け取れました。
一応審査として成績表の提出などがあり、GPA2.5以上が目安となっているらしいです。自分は学部時代の成績表も求められましたがその後どういった審査があったのかは正直よく分かっていません。ちなみに学校の支援制度の方では、自分の航空券の領収書などを提出して、往復の飛行機代+交通費+αをいただけました。
JASSOの方だと渡航費に関しては家計の審査が入ったり色々ややこしいらしく、本学では渡航費などは独自のシステムを使ってるって感じでした。
出費に関しては、交通費などに加えて、宿代や食費、ポケットwi-fi、海外保険代などがあり、最終的には6万円ほどの赤字という感じでした。
6万円で1か月以上留学できるのでかなりお得だとは思います。
また、自分は自炊する気が0だった上にお菓子やジュースを結構買ってたりしたのと、お土産をたくさん買ったのと、保険なども適当に入ったのと、観光でそこそこお金を使ったのとか色々とあるので、賢くやればもっと倹約できると思います。
写真放出コーナー
適当に撮った写真を雑に張り付けるコーナー。
I ♡ SUSHI
向こうでは必ず寿司コーナーに"Teriyaki Chicken"がありました
空き部屋に入った時の写真。一人でこれは大きい。
キャンパスで迷った時よく辿り着いてた場所にいた魚。
YUKIMI
10年くらい前の地震で崩壊してしまった大聖堂。
確か去年にこの近辺で銃乱射事件が起きてたはず。
海外っぽい何か
一点透視図法
二点透視図法
何かは分からない
†追憶の橋†
「やあ! 僕は豆腐!」
BE MY BABYっぽい
キーウィ、ゲットだぜ
特定の条件を満たすとイベントが発生するやつ
これは漫画とかでよく見るやつ(ブリティッシュガーデン)
2つ目の宿
日本文化のお祭り
世界よ、これが日本だ
ぬこ
国際南極センター
この辺は南極に近くて昔から南極探索の拠点的な扱われ方をしてたらしい
中では色んな説明を聞けたりブリザードの体験をできたりする
雪上車
南極を想定したコースを走ってくれる
乗るときに足をぶつけて怪我をした
わんわん